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各支部からのお知らせ


東京支部
2021/03/27


2021年4月10日(土)午後2時より

オンライン(Zoom・事前申込制)で開催いたします。

詳細は、こちらをご確認ください。

申込方法はこちらです。

 

特別講演

 

作家生命論の起原

アメリカ文学思想史の視点から


巽孝之(慶應義塾大学名誉教授)

司会:難波雅紀(実践女子大学)

 

 かつて文学進化論と呼ばれた考え方があった。夏目漱石『文学論』(1903年—05年草稿、 1907年刊行)にもそれは反映している。同書は、今日ではロシア・フォルマリスムやニュー・クリティシズムとも関連するものとして再評価される。しかし、 19世紀末の時点では生物学的有機体説を社会や国家に適用したハーバート・スペンサー流の社会進化論が我が国にも浸透し、福澤諭吉を含む明治の知識人たちがそこに近代国家独自の歴史的ヴィジョンを見出していたのを忘れるわけにはいかない。とりわけ重要なのは、黒船によって我が国を開国へ導いたマシュー・ペリー提督の甥の子にあたる英米文学者トマス・サージェント・ペリー(1845-1928年)が 1898年、ハーバード大学総長の推挙により慶應義塾へ派遣されたことである。

 ペリーはジェイムズ兄弟やハウェルズ、ヘンリー・アダムズ、マーク・トウェインらと懇意の間柄で、スペンサー譲りの社会進化論を応用し、ロマンティシズム的な天才論を排し、文学もまた一定の法則で進化するものと考えた。彼こそはまさにダーウィニズムと手に手を取ったリアリズム、自然主義文学と伴走する学者批評家であり、その主著『18世紀英文学』English Literature in the Eighteenth Century(1883年)を漱石が読まなかったとは考え難い。ペリーは同書で文学を統御する明らかな法則を想定し、一体どのように 前世紀の文学がいかに形成され、いかに崩壊したかを物語ろうとしたが、一方漱石は、あたかもペリーの視点を発展させるかのように、作家が作品を生み出し、その作品がいかに文学史上に足跡を残していくか、あるいは残しそこないながらも再評価されていくかをめぐる原理を思索した。

 今回はそうした脈絡からいかに私が作家生命論と呼ぶヴィジョンが生まれたか、そこに垣間見えるいくつかの法則を踏まえるといかに作家のみならず作品そのものの生命についても考察が可能になるかを、例証していきたいと思う。

 

支部総会

 

特別講演終了後、オンライン(Zoom・事前申込制)で開催いたします。

詳細は、3月27日頃、支部HPに記載しますのでぜひご確認ください。

議題:活動・会計報告、委員の交代、その他




東京支部
2021/03/08

 

2021年3月27日(土)午後1時30分より


オンライン(Zoom・事前申込制)で開催いたします。


詳細は、3月13日頃に支部HPでお知らせいたします。


会員以外の方の参加も歓迎いたします。

 

研究発表

 

ダム建設公共事業とコロンビア川表象史

ニューディールから冷戦まで

講師:馬場聡(日本女子大学)

司会:山口和彦(上智大学)

 

分科会

 

近代散文:

肖像から読むPierre

ダゲレオタイプ時代の視覚と時間性

大西慧(早稲田大学・院)

 

現代散文:

Sex and the Cityに見られる女性の生き方についての一考察        

大塩真夕美(目白大学)

 

詩:

狂気と絶望

Robert Frostの詩を生み出すもの

狭間敏行(創価大学・非)

 

演劇・表象:

楡の木陰の埋められた所有欲

サム・シェパードとユージン・オニールの家族劇に見る継承の問題

高橋典子(白百合女子大学・院)

 

詳細は支部HPをご覧下さい。