日本アメリカ文学会関西支部
支部長 渡辺 克昭
事務局 近畿大学文芸学部
会員各位
日本アメリカ文学会関西支部11月例会のご案内
11月例会を下記の要領にて開催いたします。ご出席いただきますようご案内申し上げます。
記
日時:2014年11月15日(土)午後3時より
場所:京都府立大学稲盛記念会館102教室
〒606-8522 京都市左京区下鴨半木町1-5
交通アクセス:http://www.kpu.ac.jp/contents_detail.php?co=kak&frmId=28
キャンパスマップ:http://www.kpu.ac.jp/contents_detail.php?co=cat&frmId=3883&frmCd=8-3-1-0-0
最寄り駅は、京都市地下鉄烏丸線北山駅です。
京都コンサートホール方面に出て頂き、南に行くと正門がありますので、そこからお入りください。
例会シンポジウム
「「食」から読むアメリカ文学」
司会・講師 中村 善雄(ノートルダム清心女子大学)
講師 牧野内 美帆(京都府立大学(学術研究員))
講師 大川 淳(関西学院大学(非))
講師 松本 ユキ(羽衣国際大学)
講師 森 瑞樹(大阪大学(非))
シンポジウム要旨:
「食」が人間の欲望に直結する日常的営為であることは申すまでもない。それゆえ、無自覚的に繰り返される営みを、文学研究の射程外と軽視する傾向があった。しかし、摂取、消化、排泄の一連のサイクルは、個人の身体的/精神的変遷を語る主たる指標として今日も機能し、不断に繰り返される生理的サイクルは、個を生成の磁場へと再配置し続け、主体変容の問題を語る一つの視座を提供してくれる。一方、「食」と社会の関係に目を転じると、現代日本においても、食料自給率の低下、食品衛生/偽装問題、遺伝子組み換え食品、BSE問題、TPP問題、風評問題等、「食」の問題に絶えず我々は直面し、それは環境問題、バイオテクノロジー、原発、経済格差、流通システム、安全管理体制といった問題系と繋がっている。文学が現代社会の諸局面を取り上げ、問題の本質と解決への糸口を見出す現代的有為性を求められるならば、「食」の問題は緊急的な課題となりえるであろう。それはアメリカという「食」する人間の多様な土壌において尚更のことである。ジャンクフードとスローフードが対置する現状はそのままアメリカの食文化の広範さを敷衍し、「マクドナルド化」が合理性と均質性を、「サラダボール」が多様性を象徴する現代にあって、「食」の表象はアメリカを語る一つの手段となりえる。
本シンポジウムにおいては、「食」を字義的/修辞的に援用しながら、主体、人種、階級、ジェンダーといった問題群を小説と演劇の両ジャンルから多角的に論じ、アメリカ文学における「食」の可能性について考察してみたい。
(中村 善雄)
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若手による研究を盛り上げるための企画です。多数の会員、特に同世代の院生、研究者の方のご参加をお待ちしています。
会費のお支払いがお済みでない方は、必ず11月末までにお願いいたします。4月送付の振込用紙をなくされた方や、ご自分の振り込み状況に関して確認を希望される方は、まずは事務局までメールにてお問い合わせください。追ってご連絡差し上げます。
今年度の支部大会は12月6日(土)に関西学院大学で開かれます。フォーラムは「第一次世界大戦とアメリカ文学 —
戦争、作品、作家の力学」です。詳しいご案内は11月上旬に、機関誌とともにお届けします。