現代英語文学研究会編, 『〈ユートピア/ディストピアで読む英語文学〉』 開文社出版, 2026. 10. 2. 四六判xii+255頁, 3,000
概要
本書は、「ユートピア」の系譜をたどりつつ、現代社会の抑圧や歪みを鋭く映し出す「ディストピア」文学までを射程に収めた論集です。
メアリ・シェリーの『フランケンシュタイン』から、フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』、そしてアトウッドの『侍女の物語』やトニ・モリスンの『パラダイス』まで。イギリス、アメリカ、カナダの19世紀から20世紀末に及ぶ多様な文学作品を「ユートピア/ディストピア」という補助線で読み解きます。
既存の類書にはない斬新な作品選定と、コロナ禍という「現実の困難」の中で練り上げられた最新の論考によって、名作たちの新たな地平を切り拓く一冊。
私たちが憧れ、恐れる「ここではないどこか」の正体が、今明かされます。
目次
はしがき
第一章 メアリ・シェリー
『フランケンシュタイン』——新大陸のユートピア・・・・・・・・・・・・・・・・・・阿部美春
第二章 スコット・フィッツジェラルド
「ギャツビー」というユートピア
——ここではないどこか、自分ではない誰かを求めて・・・・・・・・・・・・・村尾純子
第三章 シンクレア・ルイス
アメリカン・ディストピア小説としての『ここでは起こり得ない』・・・・・・山下 昇
第四章 トルーマン・カポーティ
アメリカン・ユートピアニズムの終焉
——『冷血』をその象徴として読む・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・恩地 幸
第五章 アーシュラ・K・ル=グウィン
「オメラスから歩み去る人たち」の語り手「わたし」の物語
——ディストピアの要因・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・中西典子
第六章 コーマック・マッカーシー
西部のアポカリプス的物語
——『ブラッド・メリディアン』の廃墟を読む・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・山本祐子
第七章 マーガレット・アトウッド
『侍女の物語』で描かれる、権力への抵抗と共謀・・・・・・・・・・・・・・・・・・三村尚央
第八章 トニ・モリスン
「ディストピア小説」としての『パラダイス』
——抵抗する女たちの「プロット」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・杉田和巳
あとがき
執筆者紹介
索引

