江頭理江+竹内勝徳+前田譲治編著. 『アメリカ文学における終末論的想像力』 彩流社, 2025. 1. 20. A5判365頁, 4,000
概要
本書はキリスト教終末論の変容や拡張に対して、アメリカの作家たちがいかにして立ち向かったかについて論じるものである。本書における終末論的想像力の定義は、キリスト教終末論を基本としながら、戦争、災害、政変、疫病、犯罪、恐慌など、この世の終わりを感じさせるあらゆる出来事に対する作家たちの文学的想像力のことを言うものとする。併せて、本書はアメリカ例外主義の展開やそれに対する批判を文学作品の中に読み取り、終末論と例外主義の関わりについても論じていく。
目次
まえがき
特別寄稿 アメリカ大統領と終末論的想像力 巽 孝之
第一部
第一章 「風景」とマニフェスト・デスティニー
――エマソン・超絶主義・領土拡張の欲動について 成田雅彦
第二章 私たちはどう生きるか
――エマソンの「自己信頼」におけるヴァルネラビリティの倫理 生田和也
第三章 独身女性が書く家事手引書
――キャサリン・ビーチャーの『家庭経済論』と『アメリカ女性の家』 秋好礼子
第四章 反時代的考察者としてのヘンリー・アダムズ
――『ヘンリー・アダムズの教育』を中心に 砂川典子
第二部
第五章 絶滅という思想
――一九世紀アメリカにおける環境終末論 高橋 勤
第六章 『大理石の牧神』における絵画と身体
――ナサニエル・ホーソーンの終末論的想像力 川下 剛
第七章 『ハックルベリー・フィンの冒険』とその批評的冒険にみる(非)ヘーゲル的精神の冒険
――マーク・トウェインとアメリカの成長拒否と終末論的想像力 吉津京平
第八章 『船乗りビリー・バッド(インサイド・ナラティブ)』における黙示録的運命 竹内勝徳
第三部
第九章 ポストアポカリプス的想像力とデモクラシーの「未来」
――『オリクスとクレイク』と『沈黙』を中心に 渡邉克昭
第十章 彼らの夢は実現したのか
――トウェインとフィッツジェラルドに見る夢の迷走 江頭理江
第十一章 『怒りの葡萄』の終末描写に見るスタインベックのアメリカ像 前田譲治
第十二章 「丘の上の町」は安住の地か
――「魔法の樽」にみるユダヤ性と普遍性 綱 智子
第十三章 「終わり」のない旅
――スティーヴン・キングのダークタワーの先に 宮内妃奈
あとがき

