1. 新刊書
  2. 越智博美・齋藤一・橋本恭子・吉原ゆかり・渡辺直紀編. 『東アジア冷戦文化の系譜学――一九四五年を跨境して』 筑波大学出版会, 2024. 4. 19. A5判vi+470頁, 7,100

越智博美・齋藤一・橋本恭子・吉原ゆかり・渡辺直紀編. 『東アジア冷戦文化の系譜学――一九四五年を跨境して』 筑波大学出版会, 2024. 4. 19. A5判vi+470頁, 7,100

概要

文学、映画、音楽、ポップカルチャーは、冷戦という<戦争>の武器だった。ソフトパワーを兵器とした情報戦は、いかにして政治的・文化的・社会的機能を果たしたのか。本書は、冷戦文化研究においてアメリカの影響力の色濃い韓国・台湾・日本・フィリピン・インドネシア等のインターアジアを中心に、冷戦の始まりとされる一九四五年を以前と以降に分断せず、貫戦史的な視点で文化の反復性・連続性・再活用面に注目した論集である。

目次

序文

第1部 日本
1章 新しい女性に捧げる『赤毛のアン』
    ー村岡花子と戦後アメリカの文化政策  越智博美
2章 占領者から親しい「隣人」へ
    ー冷戦期の日米親善と庄野潤三『ガンビア滞在記』における「アメリカ」  金志映
3章 占領期のターザン漫画における大衆的想像力の所在
    ーアフリカ・原子力・メロドラマ  杉本章吾
4章 一九四五年の「死の水曜日」  齋藤一
5章 日本におけるアフリカ系アメリカ人文学受容と社会主義
    ー冷戦下の反米的平和運動から第三世界へ  西田桐子

第2部 朝鮮半島
6章 デアドラ論は完成されていない
    ー李孝石の「緑の塔」(一九四〇年)における失敗の諸相  金牡蘭
7章 崔載瑞の「マッカーサー」
    ーマッカーサー表象を通じてみた、ある親日エリートの開放前後  鄭錘賢(渡辺直紀・訳)
8章 冷戦と援助の力学、韓国冷戦文化の政治性とアジア的地平  李奉範(金景彩・訳)
9章 白鉄の「新批評」前後、韓国現代文学批評理論の冷戦的様相  黄鎬徳(相川拓也・訳)

第3部 台湾
10章 「米国広報・文化交流局」(USIS)と台湾文学史の書き換え
    ーアメリカ援助体制下の台湾・香港における雑誌出版の考察を中心に  陳建忠(橋本恭子・監訳 白井魁・訳)
11章 東西冷戦下の台湾における「中国派」比較文学の誕生
    ー中華文化復興運動と台米関係の視点から  橋本恭子

第4部 インターアジア
12章 東アジア的モダニズムをめぐって 佐野正人
13章 林語堂、「東洋」と「知恵」の政治性
    ー一九五〇~六〇年代韓国における林語堂ブームと「二つの中国」  権ボドゥレ(李珠姫・訳)
14章 近代/中国/女性、一九四〇~六〇年代韓国の中国認識
    ー韓国における謝冰螢自伝の受容史を中心に  崔珍碩(金景彩・訳)
15章 アジア財団の映画プロジェクトと一九五〇年代アジアの文化冷戦  サンジュン・リー(渡辺直紀・訳)
16章 戒厳令下のコミックス
    ー一九七〇年代フィリピンにおける「新しい社会」と国語/文学  南隆太
17章 一九四五年を跨境する文学・文化の地政学
    N・V・M・ゴンザーレスの環太平洋・インターアジア旅程  吉原ゆかり
18章 六八革命と東アジア
    ―思想・言説連環の冷戦的文脈  渡辺直紀

執筆者・翻訳者紹介
索引