1. 新刊書
  2. ロレイン・ハンズベリ著, 鵜殿えりか訳. 『ひなたの干しぶどう/北斗七星』 小鳥遊書房, 2023. 9. 30. 四六判325頁, 2,800

ロレイン・ハンズベリ著, 鵜殿えりか訳. 『ひなたの干しぶどう/北斗七星』 小鳥遊書房, 2023. 9. 30. 四六判325頁, 2,800

概要

アフリカ系アメリカ人劇作家で初めてニューヨーク演劇批評家サークル賞を受賞したロレイン・ハンズベリ。

ブロードウェイ上演戯曲『ひなたの干しぶどう』、未放送のドラマシナリオ『北斗七星』の2本を収録。

黒人の絶望と希望を痛いほどの筆致で描く意欲作。


【ひなたの干しぶどう】

1950年代、シカゴのサウスサイドに住む黒人の一家に、亡くなった父の保険金が入ってくる。

そのお金で酒屋を友人と経営することを夢見るウォルター。

大きな家への引っ越しを望む妻ルース。

医学部への進学を考える妹ベニーサ。

それぞれ使い道を考えているが、その決定は、母リーナに委ねられていた。

そしてリーナは金額の三分の一で引っ越しを、もう三分の二を息子に託すが……。

法で禁じられてもなお根強く残る黒人と白人の居住地区問題や、黒人の生活にこびりつく貧しさをリアルに描ききる。 各地で上演され続け、映画やドラマにもリメイクされている名作。


【北斗七星】

南北戦争前夜の南部プランテーション。 農園主のハイラムが老い先短いことを良いことに、息子エヴァレットが農園主の座を狙っている。

エヴァレットは黒人奴隷をもっとこき遣うべきだと主張するが、ハイラムはそれを許さない。

一方、自由を求める黒人奴隷のハニバルは、脱走した兄の姿を追い求める。

ある日、ハニバルがエヴァレットの弟に文字を習っているところを、エヴァレットに見つかってしまい……。

テレビ・ドラマ用に書き下ろされたが未発表となってしまったシナリオ作品。