1. 新刊書
  2. 佐川和茂著. 『ソール・ベローと修復の思想―成都市の彼方に』 大阪教育図書, 2023. 9. 16. 四六判vi+267頁, 2,200

佐川和茂著. 『ソール・ベローと修復の思想―成都市の彼方に』 大阪教育図書, 2023. 9. 16. 四六判vi+267頁, 2,200

概要

ノーベル賞作家ソール・ベローの諸作品に見られる“修復の思想”を掘り下げてゆく。

“修復の思想”とは、ユダヤ教の使命(ミッション)であり、ユダヤ史の底流であり、ベローの人生にも根付いている。それはまた、誰の心にも響くものかもしれない――。

――誰にとっても、人生とは本来あるべき姿を目指し、修復を繰り返しながら歩むものではないか。

たとえ思うに任せない紆余曲折の人生であっても、人に可能なことは、好きで熱中できる少数のことに没頭し、自己の適職と思えることに従事し、自己に合った組織に属し、可能な限り生産的な生涯を送ることであろう。


目次

はしがき
第1章 修復の思想とユダヤ系アメリカ文学
第2章 修復の思想と『宙ぶらりんの男』
第3章 対立の果て―『犠牲者』
第4章 肯定への願望―『オーギー・マーチの冒険』
第5章 ユーモアと神秘主義のきらめき―『この日をつかめ』
第6章 生の探究者―『雨の王ヘンダソン』
第7章 変貌の彼方へ―『ハーツォグ』
第8章 視力の増進―『サムラー氏の惑星』
第9章 修復の思想と『フンボルトの贈物』
第10章 『精神の共同体と存続―『エルサレム紀行』
第11章 ホロコースト以降の持続と変容ー『ベラローザ・コネクション』
第12章 生と死の彼方に―『ラヴェルスタイン』
引用・参考文献
あとがき
著者紹介