1. 新刊書
  2. 日本ソール・ベロー協会編. 『ユダヤ系アメリカ文学のすべて 十九世紀から二十一世紀』 小鳥遊書房, 2023. 9. 10. A5判380頁, 3,500

日本ソール・ベロー協会編. 『ユダヤ系アメリカ文学のすべて 十九世紀から二十一世紀』 小鳥遊書房, 2023. 9. 10. A5判380頁, 3,500

概要

19世紀後半の発端から解き明かし、20世紀半ばのクライマックスを経て、現在活躍している若手作家たちまでを、この一冊で概観する!

作家の生い立ちや作品、文学的特徴に触れつつ、新しい切り口、テーマ、解釈を中心に論じ、文学辞典と学術論文集の良さを融合!

巻末には作家たちの生没年がひと目でわかる年表付き。

目次

はじめに ユダヤ系アメリカ文学のイメージをつかむ(鈴木 元子)


第Ⅰ部 論文編———ユダヤ系アメリカ文学の主要作家の真髄


◉エイブラハム・カーハン 1860-1951 

社会進化論的視点からみた『デイヴィッド・レヴィンスキーの出世』(大工原 ちなみ)


◉ポール・ボウルズ 1910-1999 

ユダヤ系アメリカ人ポール・ボウルズとその周辺(外山 健二)


◉アーウィン・ショー 1913-1984 

『夏の日の声』と反ユダヤ主義

——「ユダヤ系アメリカ人作家」としてのアーウィン・ショーの現在——(伊達 雅彦)


◉バーナード・マラマッド 1914-1986 

マラマッドとユダヤ系文学の帰還型主人公(大工原 ちなみ)


◉アルフレッド・ケイジン 1915-1998 

『ニューヨークのユダヤ人たち』

——ケイジンの描くニューヨークとユダヤ人作家たち——(山内 圭)


◉ソール・ベロー 1915-2005 

〝言語、ユーモア、アメリカ〟

——『ユダヤ短篇名作集』と『ラヴェルスタイン』から——(鈴木 元子)


◉グレイス・ペイリー 1922-2007 

グレイス・ペイリーのナラティヴ

——「死語で夢見る者」の間テクスト性をめぐって——(大場 昌子)


◉ハイム・ポトク 1929-2002 

『選ばれしもの』にみる文化衝突と《目》の象徴性(鈴木 元子)


◉フィリップ・ロス 1933-2018 

理想が裏切られて〈苦悩〉に沈む主人公(岩橋 浩幸)


◉ポール・オースター 1947- 

ポール・オースター、または「書くこと」への執着(林 日佳理)


◉ポーラ・ヴォーゲル 1951- 

劇作『ミネオラ・ツインズ』の隠れたメッセージとは(村田 希巳子)


◉ジェームズ・マクブライド 1957- 

ユダヤ人とカラー・ラインの問題

——『水の色』に描かれるユダヤ人とアメリカの人種関係——(本田 安都子)


◉マイケル・シェイボン 1963- 

曖昧さという戦略(坂野 明子)


◉ネイサン・イングランダー 1970- 

困難な倫理

——『地中のディナー』における閾の詩学——(篠 直樹)


◉アイザック・アシモフとエドゥアルド・ハルフォン 1920-1992/1971- 

アイザック・アシモフとエドゥアルド・ハルフォンの〈エスニック〉なユダヤ的遺産

(ジャック・ライアン/外山 健二訳)


◉ジョナサン・サフラン・フォア 1977- 

『エブリシング・イズ・イルミネイテッド』における「神話世界」の詩学(篠 直樹)


第Ⅱ部 解説編———ユダヤ系アメリカ文学の広がり


◉エマ・ラザラス 1849-1887 

ユダヤ系アメリカ文学のパイオニア(大工原 ちなみ)


◉アンジア・イージアスカ 1880-1970 

「贅沢な暮らし」と『パンを与える人』(本田 安都子)


◉アーサー・ミラー 1915-2005 

『荒馬と女』と『セールスマンの死』に見る〈はぐれ者たち〉(伊達 雅彦)


◉シンシア・オジック 1928- 

『ショールの女』

——ホロコーストとその余波——(鈴木 元子)


◉イェジー・コジンスキー 1933-1991 

『異端の鳥』と『ビーイング・ゼア』(伊達 雅彦)


◉ニコール・クラウス 1974- 

『ヒストリー・オブ・ラブ』

——彼らが「愛」について語るとき——(篠 直樹)


コ ラ ム


永遠のアンネ・フランク——世代・国境を越えて愛され続ける理由——(上田 雅美)


ソール・ベローの思い出 (半田 拓也)


おわりに 各章の要約(鈴木 元子)


ユダヤ系アメリカ作家年表


索引


執筆者紹介