概要
本書は、自己信頼を主唱したエマソンが、人生の中でどのように奴隷制廃止運動にかかわったかを探究し、彼の思想の普遍性を分析するものである。彼が果たした役割は、21世紀の分断するアメリカ社会で再評価されており、本書により日本におけるエマソン研究にも、新たな光が投げかけられることであろう。
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初めに、凡例、著作集の略称
第1章 大西洋奴隷貿易の歴史と英国での奴隷貿易廃止
―1810年頃まで
第2章 建国期アメリカにおける奴隷制の問題
―独立革命から1830年代まで
第3章 1830年代のエマソンと初期の奴隷制反対
第4章 1840年代のエマソンと奴隷制反対運動antislavery movement
第5章 1850年代前半のエマソンと奴隷廃止主義abolishonalism
第6章 奴隷制をめぐる19世紀の作家たち
―ストウ夫人、フランク・ウェブ、ハリエット・ジェイコブズ
第7章 1850年代後半の差し迫る危機
―補償案とハーバーズ・フェリー事件
第8章 思想家エマソンと政治家リンカーン
―トレント号事件と大統領との面会
第9章 南北戦争中のエマソンの講演
―「アメリカの文明」と「共和国の命運」
第10章 南北戦争に関するエマソンの詩
―「ボストン讃歌」と「志願兵」
第11章 南北戦争後のエマソンと彼の晩年
―1865年から82年まで
資料集:奴隷制廃止に関するエマソンの詩
―日本語訳と塩分原文
年表
あとがき、初出一覧
参考文献
索引