概要
かつて「アメリカ神話」を形づくってきた古典的な西部劇は、今日ではつくられることは少ない。
しかし現代では、SFやロード・ムーヴィー、アニメーション、ミステリ、さらにダイナソー・ウェスタン、国境をこえるウェスタンなど、テーマや領域、方法が拡大し、多様化している。
現代アメリカ文化の基層を照らし出す新たなウェスタン映画論。目次
序章 モニュメント・バレーのパネルの彼方
《第Ⅰ部》 荒野の男と女
第1章 歯磨きと水浴──『ゴールデン・リバー』と『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
第2章 囚われの女たち──『パリ、テキサス』と『ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択』
第3章 崖の上のアリス──『モヒカン族の最後』から『ラスト・オブ・モヒカン』へ
《第Ⅱ部》 西部劇は海をこえる
第4章 この西部劇はどこの国で作られましたか──グローバル・ウェスタンの世界
第5章 エスキモー・ジョーについて尋ねるドイツ人──タランティーノの西部劇
第6章 探偵ホームズは先住民──足跡をめぐる米英豪文学・映画史
《第Ⅲ部》 時の流れに逆らって
第7章 大いなる西部の小さな時計──『曠原の志士』『黄色いリボン』、そして懐中時計
第8章 荒野のムーンウォーク──『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』の時間旅行
第9章 恐竜と西部劇──『恐竜ガーティ』から『NOPE/ノープ』まで
《第Ⅳ部》 オン・ザ・ロード
第10章 約束の地への不可能なドライヴ──ロード・ムーヴィー小史
第11章 転がり草のゆくえ──『トイ・ストーリー4』と移動の意味
第12章 ボンネットを被った西部劇──女性開拓者の日記と『ミークス・カットオフ』