批評の理論と言説実践とくに「比喩」の雑多な言語ゲームとの関係を考察し、またド・マンの比喩説を批判的に読解。アメリカ・モダニズム詩とその後の展開の諸相を引用と論考により提示し、ホイットマンと仏教的一元論の類縁をも考察。
はじめに
1章 文学理論の事の次第(その一端)
2章 メタファーの言語ゲーム、言語実践、モデル
3章 モダニズム/ポストモダニズム、アナロジー/アイロニ―
4章 エズラ・パウンドの詩と批評(引用による提示)
5章 パウンド『詩篇』管見
6章 説明のない展示、主観のない過程、実在の秩序、詩行の屹立
7章 「絶対的比喩」はどのように語られるか
8章 パウンドと謡曲「卒塔婆小町」「杜若」における本覚思想
9章 T・S・エリオットの詩と批評(引用による提示)
10章 悪意と偏見―の防腐保存
11章 「直立するスウィーニー」―だれのからだのどこがどううごめく
12章 エリオットの文化の政治に関する急ぎ足の覚書
13章 ウィリアム・カーロス・ウィリアムズの詩と批評(引用による提示)
14章 謎の詩人カーロスについて
15章 ウィリアムズ『代表的アメリカ人』訳者解説
16章 ウィリアムズの「マン・オーキッド」
17章 ウォレス・スティーヴンズの詩と批評(引用による提示)
18章 スティーヴンズの比喩、批評家たちの比喩、比喩のない世界
19章 モダニズムとそのあと
20章 ロバート・ローエルの言語
21章 ローエルの眼球譚
22章 アレン・ギンズバーグという詩人
23章 ギンズバーグのアメリカ帝国主義
24章 ギンズバーグの「カディッシュ」
25章 ギンズバーグ追悼(一九九七年)
26章 ジョン・アシュベリーへの接近
27章 エドワード・ドーンの超不自然的形而上学的漫画西部劇
28章 カナダから来たニール・ヤングーその歌の複雑性
29章 ホイットマン『草の葉 初版』訳者解説
30章 磔を忘れること/思い出すこと―"Song of Myself"での出来事
31章 ホイットマン的反律法と仏教的反律法(本覚)
32章 ポール・ド・マンのメタファー(「文学言語の自己脱構築的比喩性」説)
33章 ド・マンの「メタファーの認識論」(哲学言語の脱構築的比喩性」説)
34章 ド・マンの真なる言説と解釈への意志(「象徴と寓意の脱構築」説)