概要
「失踪」を鍵語に、作品群から1960年代の時代相を浮かび上がらせる。
「失踪」とは、かけがえのない個人になるためのプロセスだ。目次
序 章
第一部 脱アメリカの物語
第一章 砂の歌―安部公房『砂の女』とアメリカ文学の「辺境」
第二章 穴の水脈―安部公房『砂の女』とポール・オースター『闇の中の男』
第二部 アメリカ文学との相互交通
第三章 「既成事実」からの失踪―安部公房『燃えつきた地図』とアメリカ文学の「都市」
第四章 「ピカソの石版画」から「泣く女」へ
第三部 エッセイと同時代言説
第五章 一九五〇年代日本におけるアメリカ論ブームと安部公房
第六章 生々しい素顔―安部公房「ミリタリィ・ルック」と軍服をめぐる同時代言説
第七章 SF的想像力と遊牧民―安部公房「異端のパスポート」と人類の起源