1. 新刊書
  2. 真田満・倉橋洋子・小田敦子・伊藤淑子編著. 『19世紀アメリカ作家たちとエコノミー―国家・家庭・親密な圏域』 彩流社, 2023. 2. 28. A5判272+12頁, 3,200

真田満・倉橋洋子・小田敦子・伊藤淑子編著. 『19世紀アメリカ作家たちとエコノミー―国家・家庭・親密な圏域』 彩流社, 2023. 2. 28. A5判272+12頁, 3,200

概要

資本主義経済下、「金銭問題」と向かいあう作家たち──「エコノミー」の視点から、19世紀アメリカ文学を解きほぐす

作品の商品価値と芸術性のバランス、出版と景気、経済的困窮、遺産相続、家庭経営……作家の「台所事情」は、どのように作品に反映されているのか。

エマソン、ホーソーン、ポー、マーガレット・フラー、ソロー、ソジャーナ・トゥルース、ストウ、メルヴィル、トウェイン、ヘンリー・ジェイムズ等。

目次

まえがき

第I部 南北戦争前/経済編

エマソン経済圏としてのコンコード(小田敦子/三重大学名誉教授)

ホーソーンの「不滅の名声の夢」追求と経済的困窮との闘い

  ──ホレイショ・ブリッジの友情と援助(倉橋洋子/東海学園大学名誉教授)

成功者への道

  ──ポーの「実業家」にみるウォール・ストリート風のビジネス手法(池末陽子/龍谷大学准教授)

マーガレット・フラーのイタリアにおける経済的困難と「真実」探究

  ──「レイラ」からイタリアの革命へ(伊藤淑子/大正大学教授)

『ウォールデン』における冬の経済

  ──ソローと暮らしのエコノミー(高橋 勤/九州大学教授)

北部出身の元奴隷ソジャーナ・トゥルース

  ──自らを広告する黒人女性(野口啓子/津田塾大学教授)


第Ⅱ部 南北戦争前/家庭経営編

経済の呪い

  ──ホーソーンの『七破風の屋敷』における親密圏の形成(生田和也/長崎外国語大学准教授)

メルヴィルの家計/家庭の問題とフランクリン批判(真田 満/龍谷大学非常勤講師)

「煙突」の構造

  ──メルヴィルにみる家計と創作のディレンマ(西谷拓哉/神戸大学国際文化学研究科教授)

家政学の誕生と家庭性神話の再考

  ──チャイルド、ビーチャー、ストウ(城戸光世/広島大学教授)


第Ⅲ部 南北戦争後

我が風狂の兄

  ──トウェインが描いたオーリオン・クレメンズ(里内克巳/大阪大学人文学研究科教授)

親密圏のジェイムズとボサンケット

  ──タイプライターのエコノミーと書くことへの欲望(中村善雄/京都女子大学准教授)

小説執筆という労働

  ──ヘンリー・ジェイムズ「ブルックスミス」と一貫性の呪縛(竹井智子/京都工芸繊維大学教授)
あとがき
図版出典
索引
執筆者紹介