概要
南部というローカルな場所と人びとを管理統制する国家、そして弱者支配や搾取が拡大されていく世界。視野を縦横に伸縮させながら、フォークナーが書き継いできたものとは。
20世紀アメリカ文学の代表的作家ウィリアム・フォークナーの中・後期作品を中心に精読しつつ、それらのインターテクスチュアリティを改めて検討することで、フォークナー作品が到達した地平を検証する。目次
はじめに
第一章 フォークナーのフランス──芸術、父権制、植民地
第二章 『村』──パロディを超えて
第三章 『行け、モーセ』の混沌──名前、系図、父権
第四章 記憶の形と継承──『尼僧への鎮魂歌』
第五章 『寓話』と越境