概要
「わたし」と「あなた」男女の私的な物語は地球規模の闘争へ
不穏な空気に包まれたデビュー作の詩集『サークル・ゲーム』(1966)〔彩流社、2020〕と対になる作品。
『サークル・ゲーム』の閉塞的な人間関係から、本作『パワー・ポリティクス』(原著1971)は「権力ゲーム」へとテーマが広がり、そのイメージやモチーフは、後の小説で鮮やかに展開される。
三部構成で45篇が収められ、そのうち十二篇にタイトルがつけられている。各セクションの冒頭には四行からなる短い詩が置かれ、そのセクションの基調をなしている。目次
彼はふたたび現われる
彼を避けようと彼女は考える
彼らは外食する
彼は異様な生物学的現象である
彼らの態度は異なる
彼らは空を旅する
些細な戦略 もっと良いやり方がある
彼は東から西へ向かう
彼らは敵国
扉のそとでのためらい
最後に目にした彼