1. 新刊書
  2. 大串尚代著. 『立ちどまらない少女たち 的想像力のゆくえ』 松柏社, 2021. 10. 1. 四六判259頁, 2,500

大串尚代著. 『立ちどまらない少女たち 的想像力のゆくえ』 松柏社, 2021. 10. 1. 四六判259頁, 2,500

概要

アメリカ文学と日本の少女マンガの接点を探りつつ、「アメリカ」という場所が、1960年代から90年代の日本の少女マンガでどのように表象されてきたかをたどる。

「少女マンガ」という枠組みの文化史的意義を再考し、同時に文化受容の重要な媒体であることを、主に1960年代後半から2000年に入った頃までの作品を取り上げて考察し、その魅力に迫る。


目次

序 章 女の子はとまらない──少女マンガ、アメリカ、文学 

♣それは『キャンディ・キャンディ』からはじまった

♣女の想像力には翼がはえている

 

第Ⅰ部 アメリカのおともだち──わたしたちのアメリカン・ガール

第1章 アメリカン・ガール誕生前夜──ここではないどこかへ

♣日本の少女小説とアメリカの家庭小説

♣外国文学の翻訳と受容

♣翻訳文学を読む少女たち

第2章 アメリカン・ドリームのゆくえ──どこかでもっとなにかが 

♣少女マンガ創世記 

♣ロマンチック・コメディ──『すてきなコーラ』 

♣関係性のロールモデル──『マリイ♥︎ルウ』 

♣差別とアメリカン・ガール──『ブロードウェイの星』 

♣愛と自立と職業──『キャンディ・キャンディ』 

♣少年というヒロインたち──『カリフォルニア物語』 

♣死を受けとめる場所──「アメリカン・パイ」

第3章 手をのばせばそこに──少女たちのたどりつく場所

♣西海岸の異邦人──『エイリアン通り』 

♣等身大のアメリカ──『ファミリー!』 

♣アメリカ文学との交差点──『BANANA FISH』と『船を建てる』 

♣日本への回帰

第4章 東の果ての小さな家──フロンティア・スピリットとかわいい西部

♣西部の伝説──リディア・マリア・チャイルド 

♣西部を脱神話化する──マーガレット・フラー 

♣荒野の独立宣言──キャサリン・マリア・セジウィック 

♣ピクチャレスク・アメリカ 

♣女の子のいる西部──ローラ・インガルス・ワイルダー 

♣日本に渡ったローラ──日本の少女文化の中の西部


第Ⅱ部 エターナル・ガールズ──少女とマンガを考える

第5章 ハッピーエンドのその先に──永遠のオトメチック性 

♣そのままの君でいいと言われるために

♣ハッピーエンドの逆説

♣永遠の少女性

第6章 ぼんやりと考える──吉本ばなな初期作品と少女マンガ的雰囲気について

♣自分が傷ついていたことすら、知らなかった 

♣一人ぼんやりと考えること 

♣心の声から歌う声へ 

第7章 ワンダーウーマンとは誰か?──異邦人としてのアメリカン・ガール

♣ワンダーウーマンの誕生 

♣マスキュリニティ再生と守る女性 

♣フェミニスト・ユートピア 

♣不死鳥としてのワンダーウーマン


 註

参考文献

あとがき

雑誌索引 

事項索引 

人名・作品名・書名索引