1. 新刊書
  2. 広瀬佳司、伊達雅彦編著. 『現代アメリカ社会のレイシズム―ユダヤ人と非ユダヤ人の確執・協力』 彩流社, 2022. 3. 25. 四六判264+x頁, 3,000

広瀬佳司、伊達雅彦編著. 『現代アメリカ社会のレイシズム―ユダヤ人と非ユダヤ人の確執・協力』 彩流社, 2022. 3. 25. 四六判264+x頁, 3,000

概要

現代に蔓延る〈レイシズム〉を乗り越える

ユダヤ系作家はホロコーストなどの差別や暴力を直に経験し、人種差別に対する憤りから、様々な反対運動において中心的役割を果たしてきた。本書では作家達の差別に対する表象を取り上げ、他者との確執や協力の実相を論じる。


目次

第1章 エリ・ヴィーゼル『ゾンダーバーグ裁判』:〈他者性〉を求めて

――現代米国の「ユダヤ人」と「ドイツ人」の敵対から共感へ(広瀬佳司)

第2章 対立の果て――『犠牲者』(佐川和茂)

第3章 ソール・ベローのブレイクスルー

――レイシズムを超える『オーギー・マーチの冒険』のケアの倫理(井上亜紗)

第4章 アーサー・ミラーの『焦点』における差別の構造(鈴木久博)

第5章 初期ロス作品に見られる人種意識(坂野明子)

第6章 フィリップ・ロスはアメリカの人種問題をどのように描いたか

――「アメリカ三部作」を中心に(杉澤怜維子)

第7章 ポール・オースターの描く他民族社会における他者との共生

――『ミスター・ヴァーティゴ』と『スモーク』を中心に(内山加奈枝)

第8章 ジュリアス・レスターの改宗

――黒人ユダヤ人へ(大森夕夏)

第9章 ジューイッシュ・クランズマンの不可視性と人種的両義性

――『ブラック・クランズマン』におけるサイドストーリー(中村善雄)

第10章 被差別者としての確執と融和

――アメリカ映画に見るユダヤ系とアイルランド系表象(伊達雅彦)