1. 新刊書
  2. 山本秀行(編集代表), 麻生享志, 古木圭子, 牧野理英編著, 『アジア系トランスボーダー文学 アジア系アメリカ文学研究の新地平』 小鳥遊書房, 2021. 10. 19. A5判260頁, 2,900

山本秀行(編集代表), 麻生享志, 古木圭子, 牧野理英編著, 『アジア系トランスボーダー文学 アジア系アメリカ文学研究の新地平』 小鳥遊書房, 2021. 10. 19. A5判260頁, 2,900

概要

アジア系アメリカ文学から「アジア系トランスボーダー文学」へ

アメリカとアジアの間を往還する「世界文学」としてのアジア系文学、SF、グラフィック・ノベル、クイア文学、原爆文学など、ジャンル的な広がりをみせるアジア系文学、エコクリティシズム、マルチカルチュアリズム/マルチレイシャリズム、インターレイシャリズム、人種的ハイブリディティ、ポリカルチュアリズムなどの特徴を持ったアジア系文学……。

領域的・地理的のみならずジャンル的・パースペクティヴ的にもトランスボーダー化した文学を「アジア系トランスボーダー文学」として研究を進展させる論集。

目次

序 アジア系アメリカ文学研究の新地平を目指して/山本 秀行(編集代表)

 

第Ⅰ部 領域的・地理的トランスボーダー化するアジア系文学研究

第1章 ヴェトナム系アメリカ難民の文学――創造と再生/麻生 享志

第2章 初期アジア系アメリカ文学のトランスボーダー性

    ――スイシンファーの作品を再読する/松本 ユキ

第3章 日系日本語文学におけるトランスボーダー性

    ――移民地文芸の探求において/水野 真理子

第4章 野口米次郎の翻案探偵小説探訪

    ――『幻島ロマンス』(一九二九年)の東京府地図/宇沢 美子

第5章 根(ルーツ)を下ろす場所を求めて

    ――トランスボーダー文学としての

           ジュンパ・ラヒリ『その名にちなんで』/志賀 俊介

第6章 ボルヘスとオースティン

    ――カレン・テイ・ヤマシタの『三世と多感』における

                     迫害言説への抵抗/牧野 理英

 

第Ⅱ部 アジア系文学のジャンル的トランスボーダー

第7章 SFとしてのアジア―アジアSF前史

    ――ディック、ロビンスン、チャンへ至る歴史改変想像力/巽 孝之

第8章 アジア系グラフィック・ノベルの現在/中地 幸

第9章 二一世紀のアジア系セクシュアル・マイノリティ文学

    ――交差する人々の物語/渡邊 真理香

第10章 アジア系詩人フレッド・ワーの実験詩

    ――『センテンスト・トゥ・ライト』における

            「ハイフネーション」の機能/風早 由佳

第11章 日系文学と原爆

    ――ナオミ・ヒラハラの〈マス・アライ〉シリーズにみる

             放射能汚染とポスト植民地主義の言説/松永 京子

 

第Ⅲ部 トランスボーダー化するアジア系文学の研究パースペクティヴ

第12章 人新世における共生の物語

    ――ヒロミ・ゴトーの『ダーケスト・ライト』/岸野 英美

第13章 ヴェリナ・ハス・ヒューストンの戯曲にみる

         多文化多人種の象徴としての「茶」の役割/古木 圭子

第14章 日系カナダ人と先住民の交差

    ――ジョイ・コガワの小説から考える/加藤 有佳織

第15章 人種ハイブリッディティから生じる不安と超克

    ――ニーラ・ヴァスワニの『あなたが私に国をくれた』/ウォント盛 香織

第16章 フレッド・ホーの〈アフロ・エイジアン・コネクションズ〉にみるポリカルチュアリズムとその新たな可能性/山本 秀行

 

あとがき

索引