1. 新刊書
  2. 山口和彦著, 『コーマック・マッカーシー 錯綜する暴力と倫理』 三修社, 2020. 3. 30. 四六判328頁. 2,600

山口和彦著, 『コーマック・マッカーシー 錯綜する暴力と倫理』 三修社, 2020. 3. 30. 四六判328頁. 2,600




概要

現代アメリカ小説を代表するコーマック・マッカーシー(Cormac McCarthy, 1933- )の小説11作(1作は実質的にはシナリオ)を論じ、「暴力」表象と「倫理」的洞察という、マッカーシー作品に特有の問題系を探究する。生死にまつわる圧倒的でカオス的な感覚に満ちたマッカーシー文学の本質を紐解く。映像化された作品についても言及している。


目次

序章  コーマック・マッカーシーの人と作品
第1章 『果樹園の守り手』——「保守」の倫理と市民的反抗の精神
第2章 『外なる闇』——南部ゴシックとグノーシス主義の世界像
第3章 『チャイルド・オブ・ゴッド』——暴力と帰還する聖なるもの
第4章 『サトゥリー』——自己探求と「父」なるものの影
第5章 『ブラッド・メリディアン』——暴力表象と倫理の行方
第6章 『すべての美しい馬』——冷戦カウボーイと「永遠のへのノスタルジア』
第7章 『越境』——「剥き出しの生」と証人の責務
第8章 『平原の町』——夢のなかで他者への倫理的責任は始まる
第9章 『知と暴力の国』——例外状態、戦争、宿命論と自由意志
第10章 『ザ・ロード』——崇高の向こう側
第11章 『特急日没号——劇形式の小説』——"You See Everything in Black and White"
あとがき
年譜
キーワード集
主要文献リスト
索引