概要
日本人にとってソローといえば『ウォールデン 森の生活』。しかし、何となくタイトルは知っているが、読んだことはないという人が多いのではないか。またソローは多くの名言・警句で名高いが、生誕二〇〇年となる2017年に、これらを作品中の文脈に置き直してみると、もっと深い意味がつかめるかも知れない。本書はソロー文学の初心者に向け、ソローの二十一世紀的意味を問い直す試みである。
目次
はじめに
ソローの青年期——ウォールデンの森に入るまで
『ジャーナル』——なぜ、自然を物語るのか
『ウォールデン——森の生活』(一)——「自然の経済」とは何か
『ウォールデン——森の生活』(二)——森と町の境界に立つ
『ウォールデン——森の生活』(三)——多様な読まれ方を知る
『ウォールデン——森の生活』(四)——物語に隠された真実
『市民の不服従』(一)——ソローはなぜ刑務所に入ったのか
『市民の不服従』(二)——受け継がれた「不服従」の遺産