1. 新刊書
  2. 渡邉克昭『楽園に死す アメリカ的想像力と〈死〉のアポリア』大阪大学出版会, 2016.1.29, A5版, xiii+494+52頁, \ 7,100

渡邉克昭『楽園に死す アメリカ的想像力と〈死〉のアポリア』大阪大学出版会, 2016.1.29, A5版, xiii+494+52頁, \ 7,100

概要

ポストモダン・アメリカ文学と最後のフロンティア〈死〉が織りなすエクリチュールの饗宴。

デリーロ、パワーズ、エリクソン、バース、ベローから読み解く「郵便空間」としてのアメリカ。


目次

はじめに:〈死〉をめぐるアポリア——『共和国の亡霊』

序章:開かない扉、届かない手紙

 

Ⅰ 喪服の似合うベロー

第1章:この〈死〉を掴め——『この日を掴め』のパルマコン、タムキン

第2章:老人をして死者を葬らせよ——『サムラー氏の惑星』における「盲者の記憶」

第3章:贈与の死、〈死〉の贈与——蘇る『フンボルトの贈り物』

第4章:「重ね書き」される身体——『学生部長の一二月』における喪のエクリチュール

 

Ⅱ メタフィクショナルな「亡霊」の旅 ——バース、パワーズ、エリクソン

第5章:「神話」仕掛けのアダム ——楽園の『旅路の果て』

第6章:〈不死〉の迷宮にて ——「夜の海の旅」から『びっくりハウスの迷い子』へ

第7章:複製という名の「亡霊」 ——〈死〉の『舞踏会へ向かう三人の農夫』

第8章:ホブズタウンより愛をこめて ——『囚人のジレンマ』における「爆心地(グラウンド・ゼロ)」への旅

第9章:Zの悲劇 ——浮浪者の『黒い時計の旅』

 

Ⅲ デリーロと「スペクタクルの日常」

第10章:広告の詩学/死学 ——差異と反復の『アメリカーナ』

第11章:〈死〉がメディアと交わるところ ——ノイズから『ホワイト・ノイズ』へ

第12章:師ミュラー来るの暗殺 ——『リブラ』の「亡霊」、オズワルド

第13章:内破する未来へようこそ ———九・一一・『マオⅡ』・『コークⅡ』

 

Ⅳ 逆光のアメリカン・サブライム

第14章:廃物のアウラと世紀末 ——封じ込められざる冷戦の『アンダーワールド』

第15章:蘇る標的 ——「撃つ/写す(シューティング)」の『アンダーワールド』

第16章:敗北の「鬼(イット)」を抱きしめて ——『アンダーワールド』における名づけのアポリア

 

Ⅴ 〈死〉の時間、時間の〈死〉

第17章:喪の身体 ——『ボディ・アーティスト』における時と消滅の技法

第18章:「崇高」という病 ——「享楽」の『コズモポリス』横断

第19章:九・一一と「灰」のエクリチュール ——『フォーリングマン』における"nots"の亡霊

第20章:時の砂漠 ——惑星思考の『ポイント・オメガ』

 

終章:シネマの旅路の果て ——「もの食わぬ人」における「時間イメージ」

 

結論:楽園のこちら側 ——〈死〉が滞留するところ

 

あとがき

引用・参考文献

索引