1. 知的無駄遣いのすすめ

知的無駄遣いのすすめ

宇沢 美子 (慶應義塾大学)

 

アーカイブ資料の多くは図書館等の書庫に眠っており、その資料を大量にひもとくにはやはり、ラップトップ・コンピューターやカメラ持参で自分でそこに行ってみるしか手がない。時間も労力も費用もかかる上、徒労に終わる可能性は常につきまとう。アーカイブ資料研究はそういう意味では、この多忙な現代におそろしく逆行する回り道、知的無駄遣いにはちがいない。ところが、無駄と思われるものから創造的な研究が始まることもある。まったく別のアーカイブ資料研究に失敗したところから、私のお笑いゲリラの疑似日本人「ハシムラ東郷」の発掘も始まった。積極的に無駄を楽しむこと、得た情報を必ず資料として残すことをはじめ、資料発掘のティップスを、できるかぎり具体的にご紹介したいと思っている。