1. 一次史料調査のおもしろみと苦心

一次史料調査のおもしろみと苦心

越智 博美 (一橋大学)

 

以前から南部農本主義者が、新批評家として戦後のキャノン生成に深く関わったことに興味を持っていました。また同時に自分の読書体験が「戦後的」(すなわち『赤毛のアン』を愛し、図書館の偉人伝(=アメリカ人多し)を読む)であったこと、またそれが母から伝わるものであったことも気になっていました。そんなことを問題意識として持っていたある日、農本主義者が戦後の文化政策にどうかかわったのか、実地に調べてみたくなってNational Archive(NARA)に無謀にも出向き、途方に暮れていたときに見つけて、直接になにも関係なさそうでありがら、目が離せなかった資料から、今回ご紹介するGHQの図書館の本のラインナップを読むという研究ははじまりました。何かお役にたてることがあるとすれば、無謀かもしれない調査で、まったくのハズレに思えても何かあることもあるかもしれないということ、最初のアプローチの仕方、戦中と戦後すぐのことであれば国会図書館が実は役に立つことなどのインフォメーションでしょうか。