1. ワークショップ(2号館1階12番教室)

ワークショップ(2号館1階12番教室)

開始時刻 午前11時55分〜午後1時15分

U.英語の教室におけるアメリカ文学—幾つかの実践的アプローチ(アメリカ文学・授業方法研究会)

責任者・司会・ 発表者
獨協大学 関戸 冬彦
発表者
東京女学館大学 小林 愛明
発表者
日本工業大学 山中 章子
発表者
首都大学東京 吉田  要



昨今「英語」の教室では「専門科目」ではないためにアメリカ文学作品は英語の教材として扱えない、という声を聞く。例えば、統一カリキュラムのため、あるいはTOEIC対策優先、など理由は様々であろう。本ワークショップではそんな状況下において、あえてアメリカ文学を英語の教材として使っている実践例、たとえば小説、翻訳、詩の扱い方を紹介、共有してみたい。

「総合的リーディングとアメリカ文学」では、関戸冬彦がサリンジャーの長編The Catcher in the Ryeやフィッツジェラルドの短編“Three Hours between Planes”を使った授業実践を報告する。いわゆる読んで訳すという従来の訳読式はとらず、章ごとに要約を書いたり、問題を作ったりし、それをペアワークで活動させるなど、クラス全体が同時に動き、参加し、かつリーディング、ライティング、加えてスピーキングまでをも視野に入れた総合的リーディング授業の運営方法を詳細な手順と共に紹介する。

「原文でアメリカ文学を正しく多読する一方法」では、小林愛明が『アメリカ短篇珠玉選』(南雲堂)を用いた実践方法を報告する。授業では学生が毎週一回、必ず一行あたるように設定している。難解な文章に関してはグループ行動を取らせ、常に授業に集中できるようにしている。また、必要十分な注を付したオリジナルテキストを用いることによって、学生が「正しく」「多読」できるよう工夫している。その他、小テストによる技能の定着やメールを用いた効率的な授業運営方法、ならびにアンケートで得た結果などを合わせ、英語の授業でアメリカ文学を用いる意義や可能性を考察したい。

「細切れ時間にアメリカ詩を読む」では、吉田要が英語授業の隙間時間にアメリカ詩を用いた授業実践を報告する。詩は省略や繰り返し、倒置などが多用されるが、それらの現象は詩だけに見られるものではなく、散文や日常会話、英語検定試験でもしばしば出現する。この報告では詩とその詩で使われている文法事項を含む英文に対して学生がどれだけの理解度を持っているかを提示して、アメリカ詩を授業で用いる意義について考えてみたい。

「翻訳を通してアメリカ文学と英語を学ぶ」では、山中章子が「翻訳」の授業実践例を報告する。小説として読んで面白い日本語にすることを授業の目標としているが、その作業を通して学生が自分の英語力を見直し、自主的に考える習慣を付けるよう指導する。文学作品(主に短編小説)を用いることで物語の全容を把握して文脈力を養い、毎回の課題量を少なくすることで丁寧に読解し、文学的表現の機微を理解する楽しみをクラスで共有する可能性を紹介する。