1. 東雅夫・下楠昌哉(責任編集)『幻想と怪奇の英文学U ―増殖進化編』春秋社, 2016.7.31,四六版478頁, \3,200

東雅夫・下楠昌哉(責任編集)『幻想と怪奇の英文学U ―増殖進化編』春秋社, 2016.7.31,四六版478頁, \3,200

概要

 気鋭の英文学者らが論じた幻想文学の本格的な研究・批評の集成『幻想と怪奇の英文学』第2弾! 悠久の古代から、いま最もアクチュアルなテーマまで、幽明の界を越え、人と人ならざるもののボーダーを越え、さらには時空すら跳躍して繰りひろげられる「幻想と怪奇の英米文学」探索行。本書でしか得られない貴重な情報の数々と知的刺激に満ちた十九の旅。ジョイス『ダブリン市民』の「姉妹」新訳や、編者2名が平井呈一の再評価を促す対談も収める。



目次

前口上  東雅夫

 

第1部 ゴースト・イン・リテラチュア

 

 ジェイムズ・ジョイス「姉妹」の翻訳  (訳・解説)下楠昌哉

 薔薇十字会員の亡霊を降ろす/祓うこと ジョイス「姉妹」の改稿とイェイツへの応答  田多良俊樹

 乱世のなかに夢幻を描く 英国に渡った郡虎彦と『義朝記』  鈴木暁世

 『フランケンシュタイン』の幽霊 伝承バラッドの再話として  小川公代

 「ぼくらはまた逢うだろう」 ディオン・ブーシコー『コルシカの兄弟』における幽霊の〈声〉と〈すがた〉  岩田美喜

 フィラデルフィアの幽霊屋敷 マット・ジョンソン『ラヴィング・デイ』における混血アイデンティティの呪縛と解放  白川恵子

 

第2部 幻獣/変身/テクノロジー

 

 甦る鳥たち 古代中世ヨーロッパにおける鷲とフェニックスの描写  大沼由布

 クエスティング・ビーストの探求 トマス・マロリーの不思議な動物  小宮真樹子

 スフィンクスの笑み H・G・ウェルズ『タイムマシン』と人間の未来  遠藤徹

 或るモノとの「遭遇」 解剖学劇場の『ジキル博士とハイド氏』  石井有希子

 ファリントンはキーボードの夢を見るか ジェイムズ・ジョイス『ダブリン市民』の「複写」と複製機械  桃尾美佳

 重なり合わない分身と分心 ウィリアム・シャープと尾崎翠「こほろぎ嬢」をめぐって  有元志保

 ラジオの描くモンスター ルイス・マクニース『ダークタワー』と大衆の問題  川島健

 赤ずきんはなぜ狼になったのか アンジェラ・カーター「狼三部作」  高橋路子

 鴉の娘の「新しいおとぎ話」 オードリー・ニッフェネガー『レイヴン・ガール』  金谷益道

 

第3部 災疫のなかの奇跡

 

 中世ヨーロッパの教訓的例話集にみるイノセントな子供たち 『アルファベット順逸話集』の奇蹟譚  小川真理

 悪、破局、そして笑い 災害の物語としてのジェイムズ・ホッグ『男の三つの危険』 金津和美

 崇高の向う側 コーマック・マッカーシー『ザ・ロード』  山口和彦

 時空をかける女たち ルース・オゼキ『有る時の物語』  臼井雅美

 

対談 幻想と怪奇の匠・平井呈一の足跡を追って  東雅夫×下楠昌哉

執筆者紹介 (東雅夫によるメール・インタビュー)

編者あとがき  下楠昌哉